チック症状が爆発したわけ。

クラスメイトとのトラブルで、自分の気持ちを押し込めたから

もともと、小学校入学を控えたころから、何か行事の前など、緊張が高まると瞬きとか、チック症状が出ることはあった。

小学校に上がってから、肩を動かすチックが出たことがあったので、小児科で相談したら
抑肝散という漢方薬を処方されて

「あまり気にしない方がいいよ」

と言われ、気が付くと症状は気にならなくなっていた。

だから、ちょっと敏感だから、緊張すると出てしまうんだなぁ。って、そのくらいにしか思ってなかった。

６年生の秋、口元が引きつるチック症状が出るようになっていた。

「学芸会前で緊張してるのかなぁ？」

と、気になってはいた。

そのうち、朝になると

「頭が痛い」

ということが増えた。そして、ある日

「学校に行きたくない」

と泣いた。

クラスに、しつこく悪口を言ったり、バカにしてくる男子がいて、それに便乗するクラスメイトはいても、止めようとする人は誰もいない(担任も含め)と、おーたは言った。

そして、昨日も喧嘩になり、その時に口元が引きつるチックが出て、

それを見て

「なにそれ、キモ！！
頭おかしいんじゃね！？」

と笑われた。

今まで、言い返したり、ずっと我慢してきたけど、もう限界だと。

あ〜、学芸会への緊張ではなく、クラスでのストレスからチックが出てたんだぁ。。。

担任の先生は

「悪口を言うのには必ず理由があります。きちんと相手の子と話してみます」

と言って、その後、相手の子は泣いて反省し、反省文も書かせたと。
謝りたいと言っているので、明日は学校に来てほしいと言われた。

次の日、
相手の子は、５年生の頃のおーたの行動が嫌だったから、それで悪口を言うようになったと話したらしい。

その日おーたは

「ちゃんと謝ってはくれたよ。
おーたも、悪気はなかったけど、いやな思いさせてたならごめんねって謝った。
でも、どんな理由があっても、悪口言ったりバカにするのは違うと思うって、
ちゃんと言ってきたよ！」

って、帰ってきた。

「そっかぁ、えらかったねぇ」

「うん。
　しゃっくり止まらないさ～。
　学芸会緊張する～」

って、おーたは笑った。

これがチック爆発の予兆だとは、思いもしなかった。

その頃
口元が引きつる動作に加え、首を傾ける動作が出ていて、少しずつ激しくなっていった。

学芸会への緊張が高まっているからかなぁと思ってた。

何とかチックを我慢しながら学芸会を頑張り、チック症状も落ち着くだろうと考えていたのに、収まってはくれなかった。

「チックが出ると字が書けないし、授業に集中できない」

と言うほど悪化していった。
小児科で処方されていた漢方薬は、もう効果があるようには思えなかった。

そして

「んあッ！」

音声チックが爆発した。

チック症状がひどくなっていったのは
クラスメイトとの話し合いで、自分の気持ちを押し込めたのが原因だと気づいたのは、この頃だった。

先生の

「悪口を言うのには原因があるはずだよ。考えてごらん」

という言葉を受けて、相手の子が”おーたに原因があるんだ”と示したこと。
そして、喧嘩両成敗で、おーたも謝ることになったこと。

本当は納得いっていなかったのだ。

正直、
相手の子の、おーたに対する言動の数々に、深い意味はなかったのだと思う。

でも、

「悪口を言うのには理由があるよね？」

と聞かれれば、子供は無意識の内に、自分の行動を正当化しようと理由づけするんじゃないだろうか。
そもそも、おーたに対することばの数々は、よっぽど相手をバカにする気持ちがないと出てこないんじゃないだろうか。

おーたは、結局は自分に非があるのが原因だと言われたようで悔しくて、本当は、相手は何も反省していないと感じていた。

でも、

「泣いて反省しました」

と、先に先生から聞かされてしまっては、おーたの優しさから、それ以上相手を責めることができずに、気持ちを押し込めてしまったのだ。

”理由があった”とか”悪気はなかった”ではなく、自分をバカにする、見下す気持ちがあったから罵倒して来たことを、きちんと謝ってほしかったのだ。

考えれば考えるほど怒りがこみ上げた。

それと同じくらい、
おーたの気持ちを理解してあげられてなかった自分にも腹がたった。

症状はひどくなる一方で
首を強くかしげ、声が出る。

日に日にその回数が増え
発作的に連発して、数分間止まらなくなることもあった。

もう、学校へ行くどころではなかった。

小児科で、精神科を受診することを勧められたが

「児童精神科は、新規の予約を取るのがすごく難しいんですよ。
うつ病や、すぐにでも死につながるような場合は優先してもらえるけど、チック症状では難しいと思うんですよ。
それは、僕が紹介状を書いても変わらないと思うから、ご自分で電話してみてごらんなさい」

と言われた。

先生が教えてくれた病院の予約専用電話にかけ、現状を説明したが、予約は１年後だと言われた。

え！？

 覚悟していたつもりだったけど、こんなにも先まで予約が入っているなんて、驚いた。

とりあえず予約をして、他の病院も調べて電話してみたが、どこも半年ほど先まで予約は取れないと言われた。

毎日、　　毎日、　　毎日、

チックの発作の波がやってくるたび、

「（首が）痛ぁーい！
　　もうやだぁーーーー！！！」

って大泣きする息子に

「辛いねえ。
　大丈夫。
　大丈夫だからねぇ」

って、頭を撫でてやることしかできなかった。

今、おーたはよく笑う😄
普段はほとんどチック症状は気にならないくらい。
でも、嫌な事には「イヤ！！」って、すぐにちっくりんが暴れる💧
まだまだ困ること、悩むこともあるけど、
「自分の好きな事をやる！」 
を続けて、もっともっと楽しくいこう😉